キャンプブームの光と闇について

昨今、世間ではキャンプブームと呼ばれています。盛り上がり自体は数年前から徐々にありましたが、僕の場合、実際に体感しているのは去年くらいからです。確実に変化を感じます。

まずメディアの変化です。ここ数年にかけてTVでも特集されたり、キャンプそのものをテーマとした番組が作られたり、キャンプ関連のサイトも乱立しています。純粋にキャンプが好きな方の情報発信とは別に、金儲けの一つのツールとしてブームに乗っかって企業として運営しているものが目立ちます。資本主義国家なので、嗅覚を研ぎ澄ましてその時代の金になるものに飛びつくのは当然のことです。悪いことではありません。これでキャンプを好きになる人が増えればむしろ素晴らしいことです。ですがこのようなブームには弊害もついて回ります。今回はそういうブームによる様々な影響について考えたことを書いてみます。

メディアの影響

メディアの影響力というのはやはり強いもので、キャンプについて取り上げられると多数の人間に変化をもたらします。影響を与えるということは生々しく言うと金になるということです。たとえば”ゆるキャン△”が当たって以降、アウトドア系のコミックがたくさん出版されるようになりました。キャンプ情報誌も増えました。今まで出版化できなかったものが世に出るというのは書き手にとってもキャンプ好きの読者にとってもうれしいことです。キャンプ情報を提供するサイトも増え、簡単にたくさんの情報を入手できるようになりました。他にもSNSでキャンプをフィーチャーしてインフルエンサーとなり、キャンプで飯を食っている人も多くいらっしゃいます。このようにブームが続いている今は業界の活性化が図られ、多くの発展が見込めます。

ですがブームというのは必ず衰退します。懸念するのはそこです。金にならないとわかったらメディアというのはとてもシビアです。何しろ趣味でやっているわけではありませんから。視聴率が取れなければTVで取り扱われることもなくなります。雑誌もすぐ廃刊となります。漫画も打ち切り。サイトも消えるかすさまじく縮小します。メディアに露出することで収入を得ていた方も一気に仕事がなくなります。悲しいですがメディアというのはそういうものです。別にアウトドアが好きだからやっているわけではありません。あくまでもビジネスなのです。そこに情などはありません。キャンプブームによる収入をメインにしている方は注意が必要です。確固たる人気を構築しているyoutuberの方などは大丈夫と思いますので、雑誌やキャンプ情報サイト、イベント露出で食べている方はブームが去る前に動画サイトでのポジションを固めた方が賢明だと思います。

ブームが終わっても僕らのような元々好きでキャンプをしている人間にはさほど影響はありませんが、金銭が絡んでいると困る人が出てくるのでメディアの影響というのはやはり大きいです。

キャンプブームのメリット

キャンプブームによるメリットを考えてみます。僕が一番体感したのはキャンパーの市民権です。正直5~6年前とかだと、ソロキャンプをしているとまあまあ変態扱いでした。特に冬場のソロなど理解が得られずちょっと頭のおかしいやつとして扱われることも多々ありました。それが徐々に変化が見られ、最近だとそういう話になっても「今一人キャンプ流行ってるよね」「いい趣味だね」なんて言われることもあり、ブームによってキャンパーが市民権を得てきたのを感じます。これはとてもいいことです。生きやすくなりました。

他にもキャンプギアの充実がすさまじいです。明らかにここ数年で性能の向上と、種類の増加、価格の低下(同時に超高価格のものも出現)など確実な発展があります。メーカーも増えましたし、ガレージブランドの出現もありキャンプ好きとしてはうれしい限りです。新しいギアが出るたびに心が躍ります。

キャンプブームのデメリット

デメリットは一つ突出したものがあります。それはキャンプ場の汚染です。それに尽きます。いままで興味のなかった人が軽い気持ちで足を踏み入れ、マナーもくそもない使い方をして帰っていきます。若者が大勢で来て、夜中も大声で騒いでゴミも散らかしたまま帰って行くとかは以前もありましたが、いまはその頻度が昔の比じゃありません。直火禁止のキャンプ場で直火の焚火をして、空き缶から焼き網までゴミも全部火の中に捨て片づけずそのままになっている残骸を何度も見かけます。

ピンボケしてて申し訳ないですが、これは先日ある無料キャンプ場に行ったときに見つけた残骸です。ブッシュクラフトのまねごとをしたかったのか木の枝を地面にぶっ刺して直火で焚火をしています。そして片づけずに帰っています。炭も薪も灰もそのままです。写真ではわかりにくいですが灰の中に溶けたペットボトルやライターなどもありました、最悪です。キャンプブームにより業界の発展は喜ばしいですが、反面このような弊害もあります。これは全国的にあります。

せっかく気持ちをリセットして癒されるために出てきたのに、逆に怒りを覚え人のゴミまで持って帰らなければならない始末です。

まとめ

今回はキャンプブームによって生み出される光と闇について少しだけ書きました。これは一部です。良くも悪くも多大なる変化が起こっています。一番問題としているのはやはりキャンプ場汚染です。キャンプ場は共有スペースです。大切に扱ってください。そして周りにも呼び掛けてください。貴重なキャンプ場が心ない人間に踏みにじられないよう守りましょう。

そして一人でも多くの心あるキャンパーの誕生を願っております。