今回はキャンプギアの転売行為についての考察です。情報技術の発展により今では誰もがスマートフォンやタブレット、パソコンなど何かしらのデバイスを持っていてネットとつながっています。そして昨今ではフリマアプリなどの出現により、ネットを介して個人同士が簡単にモノを売り買いできる環境が構築されています。そこで以前から個人的に気になっていたのは「転売」という行為です。わかりやすいところでいうと人気ファッションブランド「シュプリーム(Supreme)」などの製品は常にネット上では転売されています。もはや転売以外では買えないといってもいいレベルです。2万円台のウェアが10万くらいで売られていることなんてザラです。今回の本題ですが、そのような現象がキャンプギアの世界でもちらほら見られるようになりました。実際の例を挙げながらそのことについて書いてみたいと思います。
スノーピーク製品の転売の実態
キャンプギアの転売で代表的なものはタイトルにも書きました「スノーピーク(snow peak)」の製品です。「スノーピーク」は日本のアウトドアブランドでトップを走るブランドで、作られる製品の高いクオリティに比例して価格も高いです。一言でいうと高級ブランドです。どの分野の製品も転売されるのは高級ブランドである為、アウトドア製品においても同様の現象が起きるのです。
例えば某有名フリマサイトでよく見かけますのがスノーピークのアルミパーソナルクッカーセットという以前からある定番製品です。まずその製品の正式な情報から紹介します。
これが公式HPのオンラインショップのページです。これを書いている現在(2020年5月4日)では普通に販売されており、価格も当然定価の3,600円です。税込では3,960円。
それが某フリマサイトでは
このような感じで5,700~5,800円くらいを相場として転売されています。なかには7,000~9,000円台での出品もあります。今のタイミングでは公式オンラインショップで販売中ですが、世の中的にキャンプブームで品薄になっているのは事実です。しかしその品薄状態の片棒を担いでいるのはまぎれもなく転売ヤーたちです。転売ヤーが買い占めを行い品薄になっているところに高額で転売するという図式。
現在も日本ではコロナでパンデミック状態が続いています。今はやっと禁止されましたが、感染流行の初期はマスクの買い占めと転売が猛威を振るっていました。商品は違えどやっていることは同じです。
転売にモラルを求めてはいけないのか
そもそも転売行為が悪いのでしょうか。公式オンラインショップで普通に買えるにも関わらずフリマサイトで高額で買っている情報弱者が悪いのでしょうか。資本主義社会で考えると後者が悪いとなってしまうかもしれません。ですが買い占めが原因で入手困難となり、そのうえで転売を行うのはどうだろう。犯罪ではありませんが金儲けの手段としてはあまりに短絡的で質が悪いと思います。生産性もないですしもう少し頭を使って別のビジネスを考えた方がいいのではないかとも思う。
フリマサイトでのこうした出品がすべて悪いとは思いません。たとえば限定品で現在は販売されていない希少価値のあるものを高い価格で出品することは悪いことではないと思います。しかしその希少性を買い占めで人為的に作り出しておいて高額で転売するのはやはりあまりにモラルに欠けるのではないかと思ってしまいます。
今回の製品がキャンプギアであるから特にそう思ってしまうのもあるかもしれません。みなさんがどういう考えを持っているかはわかりませんが、僕はこういう転売行為はやはりなくなってほしいのが正直なところ。学生だったり、本当にお金に余裕がないけれど唯一の趣味がキャンプで少しずつお金を貯め、やっとの思いでキャンプギアを買う人もいるかもしれない。そういう人の購入機会を奪っておいて高値で売り付け、少しの小銭を稼ぐ行為にはどうしても賛成しかねるのだ。
試しに警告してみた結果
少し前、やはり同製品の転売が横行していた時の話。その時は公式オンラインショップでもアマゾンでも普通に買える状態でした。それにもかかわらずその事実を知らない方が高額で買わされることを防ぎたいと思い、試しに警告めいた助言を行ってみました。
どうやったかというと、同じ製品の名で9,999,999円の額を付け、現在オンラインショップ等で定価で購入可能であることを説明欄に書き出品してみました。せめてこれを見た方だけは転売に引っかからないだろうと思い実験してみました。
その結果はというと
わずか数分でその出品はフリマサイトの運営により消去されました。
そしてこのような連絡がありました↓
運営の言い分としては
”お客様がトラブルに巻き込まれるかもしれませんので警告的な行為はやめてください”
というようなニュアンスです。
”お客様のため”
という言い方にはなっていますが実質は
”うちの商売のじゃますんな”
ということでしょう。
確かに向こうからすれば転売だろうと何だろうと高く売買されればより高い手数料が利益として入るためどんどんやってほしいところでしょう。それを自分のような輩が横やりを入れてきたもんだから単なる営業妨害として排除されたということです。
まあ向こうのフィールド上で向こうのルールに乗っ取って参加しているわけですから当然のことで文句は言えません。そもそもがフリマサイトはこのような収益構造ですので転売が横行するのはもはや必然的で撲滅などは不可能です。それどころか転売をあおる結果となるでしょう。転売ヤーとフリマサイトだけの目線でいえばwin-winの関係ですから。
まとめ
フリマサイトの収益構造上、転売ヤーはいいお客さんですので規制されることなんて絶対にないと思います。まず転売かどうかの判断を出品物一つ一つ行うのも無理でしょう。
結果的に転売は続き、情報弱者が食い物にされるわけです。資本主義社会において、情報社会において、情弱であることにより搾取を受けることは自業自得であるということになります。僕も頭では確かにその通りであり仕方ないと理解はしていますが、単純にモラルとしてそのような小銭稼ぎはなくなってほしいと今でも思っています。
この時代にそのようなモラルを謳うことはナンセンスでしょうか?
ただの理想論なのでしょうか?
本当は理想論であることはとっくにわかっています。とっくに諦めています。が、ただ心の奥底にある青臭い理想を今回はぶちまけてみただけです。
みなさんはどう思われますか?