マイクロストーブ EDC BOXの性能を解説 実用性を検証してみる

今回紹介するギアはbushcraft essentialsというメーカーの「EDC BOX」という極小の焚火台です。bushcraft essentials「bush box」という焚火台が人気で有名ですが、そのメーカーのラインナップに以前より極小の焚火台がありました。気になっていたので結果的に購入してみたのですが、その製品が小さくてどこにしまったかわからなくなり紛失状態にありました。それを最近やっと発見したので今更ながらレビューしてみたいと思います。

カードサイズのコンパクトさ

外箱と付属の収納ケースです。

一般的なサイズのカードより一回り大きいくらいのコンパクトサイズです。これで焚火台というのだから驚きです。

ケースの中には焚き火台本体とステッカー、あとbushcraft essentialsのHPアドレスの書かれたカードが一枚入ってます。

ちなみに価格は輸入ものですので変動がありますが、大体Amazonで5,000円前後くらいです。

組み立ても簡単

よくあるタイプのプレートを一枚ずつ接続して組み立てる焚き火台です。ただとにかく小さい!

一枚ずつプレートをはめるだけなので組み立てはいたって簡単です。

正面の最後の一枚をはめるときだけ若干やりずらいですが、すぐになれます。これで完成です。

ゴトクもついてますので装着すれば上に小さい鍋やシェラカップなどを乗せられます。

組み立て後も超絶コンパクト

本体の高さ:実測 約6.5cm

この焚火台、収納時はカードサイズで驚異のコンパクトさですが組み立て後も同じく驚異のコンパクトさです。本体の高さはわずか6.5cm

一辺の長さ:実測 約4cm

側面は4面とも同じサイズです。底辺の一辺の長さを測るとわずか4cm。何度も言いますが驚異のコンパクトさです。

ヤクルトサイズ

何と比較して写真を撮ろうかと迷いましたが結果的に同じくらいのものはこれになりました。ヤクルトです。厳密にいうとヤクルトよりも小さいです。これが本当に焚火台かと目を疑います(笑)。
あと感心するのはこのサイズですが丈夫な作りであることです。ステンレス製でパーツの一つ一つが頑丈に作られてますので組み立て後もぐらつきなくどっしり安定してます。

超軽量

重量:実測 86g

重量は実測でたったの86gです。
チタンではなくステンレスでこの軽さ。焚火台の重さではありません。いかにミニマムサイズかがわかります。

実際の火入れ状況

まず薪として小枝をぽきぽきと短く折って準備します。なかなか手間がかかります。ライターと比べてみてください。この小ささです。

準備した小枝と枯葉などを入れ火をつけてみます。

この辺りは通常の焚火を始めるときの火おこしと似た状況です。焚きつけとして小枝から燃やしだんだん薪を大きくし火を育てていく段階です。

だがこの焚火台には普段の焚火とは大きな違いがあります。もちろんですが大きさが違います。そのため少しずつ薪を大きくしていく作業ができず、すぐに燃え尽きてしまいます。そもそも火が小さく熱の絶対量が圧倒的に少ないため燃焼を維持するのが難しいのです。

次はとにかく焚火台内の燃焼と熱量を大きくすることを考え、燃え尽きないように少し大きめの薪をひたすらくべ、火を大きくすることに専念しました。

そのままシェラカップに水を入れて火にかけ、沸騰を試みます。が、だんだん火は弱くなり高い燃焼を保つことができません。やはり長い薪を突っ込むとその形状から薪の先は底面より高さが出てしまい、火床にやっとできた熾火から距離が生まれて上手く燃焼維持できません。

仕方ないので面倒ですがこの焚火台にちょうど収まるサイズの小さい薪を切り出して準備します。まあまあ時間のかかる作業です。僕は「どんなに面倒で手間のかかる時間も、すべて含めてキャンプだ!」と心の底から100%思えないズボラキャンパーなので(多少は思ってます)途中から面倒くさい気持ちが勝ってきました(^_^;)

今度は焚火台に合わせて切り出した短くて少し太めの薪を、火が消えないよう間を空けずにくべながら燃焼を維持します。忙しいです。

その作業を続け、だいぶ時間がかかりましたが無事お湯が沸きました。スムーズに使用するなら事前にこのストーブに合ったサイズの薪を量産して置く必要があります。それを痛感しました。また常にちょこちょこと薪を補充する作業が必須で”ぼんやりと火を眺めて過ごす”という本来僕が好きな時間はありませんでした。正直な感想を言うならば「面白いけど実用性には欠ける」かなと思いました。だけど”火を育てる”という行為の練習には最適かと思います。あくまでも僕の主観ですが。

いくらコンパクトさを求めたとしてもソロ用のストーブとして使うならもう少しサイズがある方が絶対に使いやすいと思います。個人的には同じメーカーの「bush box LF」

バーゴの「ヘキサゴンウッドストーブ」

あたりがコンパクト性もあり焚火や調理もスムーズに出来ていいと思います。あくまで実用性を優先したときの話です。

それでもカードサイズまでコンパクトさを求めるとやはりこの「EDC BOX」一択となります。

メリット デメリット

メリット

  • カードサイズのコンパクトさ
  • 超軽量(実測86g)
  • 頑丈な作り
  • コンセプトが面白い
  • 火おこしの練習になる

デメリット

  • サイズの割に価格が高い(amazonで5,000円前後)
  • 燃焼が小さく調理に不向き
  • 火の維持に労力を要する

まとめ

今回紹介したギアはbushcraft essentialsというメーカーの「EDC BOX」という極小の焚火台でした。かなりのコンパクトサイズで見た目もかわいく面白いアイテムです。キャンパーの遊び心をくすぐられる一品ですが、実際のキャンプで調理をしたり暖をとったりにはさすがに厳しいと思いました。
実用性の面で考えると物足りませんが、そもそもポケットに忍ばせておいてちょっとした火を作ってカップを温めるくらいの使い方が本来の用途なのでそう考えるとありだと思います。

キャンプでのメインコンロとかではなく、ちょっと野に出たときにコップ一杯の湯を沸かす、くらいの軽い感じで使っていただけたらと思います。普段はテーブルに置いてるだけでもキャンパーの方ならニヤッと笑えるでしょう。
このギアが気になっている方の参考になればと思います。
興味を持たれた方は是非一度使ってみてください。
おもしろいですよ。