~勝手に名曲紹介~ 怒髪天 「オトナノススメ~35th 愛されSP~」奇跡のトリビュート

今回紹介するのは怒髪天オトナノススメ~35th 愛されSP~です。厳密には怒髪天の「オトナノススメ」という曲のトリビュート曲です。もうとにかくこれがすごい!今まで聞いたアーティストのトリビュートで、一曲でこんなにも豪華のものはなかった。本当に衝撃的でしたので是非皆さんにもお伝えしたく筆をとった次第です。

怒髪天のざっくりプロフィール

増子直純:Vocal 1966年生まれ

上原子友康:Guitar 1967年生まれ

清水泰次:Bass 1968年生まれ

坂詰克彦:Drums 1966年生まれ

1984年、増子さんが高校生の時に札幌にて結成。結成当時は違うメンバーであったが1988年より現在のメンバーで本格始動。1991年にメジャーデビューを果たすもブレイクすることなく事務所も倒産。アルバイトをしながらの活動となる。その後行き詰まり1996年より3年間活動を休止。1999年より活動を再開する。

2004年から再びメジャーシーンに復帰し活動を続け、結成25年目の2009年頃から徐々に知名度を得るようになる。そして結成30年目を迎える2014年1月、ついに初の日本武道館ワンマン公演を敢行する。

それから今もなお衰えることなくロックシーンで活躍中。

2019年10月16日35周年記念盤『怒髪天』リリース。その中に奇跡のトリビュート曲オトナノススメ~35th 愛されSP~が収録されている。

怒髪天との出会い

僕の怒髪天との出会いは確か二十歳過ぎ頃だった。当時はとにかく情報媒体が少なく、怒髪天もコアな音楽雑誌で読んだ情報だけで実際に音楽を試聴する術がなかった。聞くなら買うしかない。僕は「怒髪天」というバンド名にどこか惹かれており、なんとなくいつも頭の隅にその名があった。

ある日、友人とタワーレコードに行った際、思いがけずその名が飛び込んできた。タ行の欄に一枚のアルバム。それは2001年の2月に発売された怒髪天の四枚目の作品「如月ニーチェ」というミニアルバムだった。活動再開後第一弾の作品で、その店には怒髪天のCDはそれ一枚きりだった。売れてないインディーズなので仕方がない。僕と友人はそのCDにビビッときた。「如月ニーチェ」…なんかかっこいい。和製ロックの香りと哲学的なメッセージと…等々色んなものを想像させる。今では考えられないが当時は「ジャケ買い」と呼ばれる”タイトルの響きやCDジャケットのデザインだけでアルバムをいきなり買う”という無謀な購入法が音楽好きにはまかり通っていた。なけなしの金で博打のようにCDアルバムを買っていたのだ。今思うと恐ろしいが新規開拓するにはそれしか方法がなかった。おかげでかなりの貧困生活を送っていた。

と、僕の貧乏話は置いといて話を戻そう。

そのアルバム、友人と二人でビビッときたので僕らは店内でじゃんけんをした。そして僕は勝利を得て無事「如月ニーチェ」を勝ち取ったのだ。ダミ声にこぶしの効いた歌いまわし、和製音階のメロディーにテクニカルなギターフレーズ。(この上原子さんが尋常じゃなくギターが上手い。)すごくかっこよくて、”今回のジャケ買いは当たりだ”そう思った。このミニアルバムはベストアルバムのように全曲素晴らしく一曲ずつ紹介したいくらいなので、いつかまた別の機会に書けたらと思います。

長くなりましたがこれが僕の怒髪天との出会いです。

奇跡の超豪華メンバー

冒頭にも書きましたが今回紹介するのは

「オトナノススメ~35th 愛されSP~」

この曲です。

2019年10月16日にリリースされた35周年記念盤「怒髪天」に収録された曲で、これは怒髪天の35周年を祝うトリビュート企画なのですが、とにかくそのメンツがすごい。まず参加人数が半端じゃないのだ。

ギタリストが13名

ベーシストが6名

ドラマーが6名

そしてそして

ボーカル、コーラスを含めるとなんと

総勢220名!!

もう驚くしかないです。

ロック好きの人間からすればすごい顔ぶれなんです。

参加アーティストはこちら

[Vocal & Chorus]
綾小路 翔(氣志團)、飯室大吾(FM802)、石川純(HOT STUFF PROMOTION)、内田絢子(FM802)、うつみようこ、Oi-SKALL MATES、大木温之(The ピーズ)、大槻ケンヂ、岡峰光舟(THE BACK HORN)、掟ポルシェ(ロマンポルシェ。)、奥野真哉(ソウル・フラワー・ユニオン)、オサナイユウタ(The Jerry)、ガガガSP、影山ヒロノブ、梶芽衣子、勝手にしやがれ、加藤ひさし(THE COLLECTORS)、川中美幸、ギターウルフセイジ、吉川晃司、木村充揮、京都磔磔、クジヒロコ、クラブカウンターアクション宮古、グループ魂、黒崎栄介(名古屋ハックフィン)、KOHKI(BRAHMAN/OAU)、コヤマシュウ(SCOOBIE DO)、近藤”OSSAN”寛(名古屋CLUB UPSET)、斉藤和義、THEイナズマ戦隊、ザ50回転ズ、TH eCOMMONS、佐々木たくお(札幌スーパーギャグメッセンジャーズ)、THE BAWDIES、サンボマスター、ZIP (LATLX(LUCY&THE LIPSTIX))、柴山俊之、清水音泉、ジョージ・ウィリアムズ、陣谷良将(長野CLUB JUNK BOX)、四星球、スガ シカオ、菅波栄純(THE BACK HORN)、菅原 卓郎(9mm Parabellum Bullet)、杉作J太郎、鈴木圭介(フラワーカンパニーズ)、須藤寿(髭)、スマイリー原島、SLANG、騒音寺、TARSHI(ex.LONESOME DOVE WOODROWS)、TAISEI(SA)、タカハシマイ(Czecho No Republic)、滝 善充(9mm Parabellum Bullet)、田島貴男(ORIGINAL LOVE)、田中要次、チバユウスケ、土屋大輔(ジェイルハウス)、鐵槌、10-FEET、土井コマキ(FM802)、東狂アルゴリズム、 TOSHI-LOW(BRAHMAN/OAU)、トータス松本(ウルフルズ)、怒髪天CREW(小野仁子, 岡田”どらごん”聡, 木村”Q太郎”至, 横山隆義)、TOMOVSKY、トライシグナル、中川敬(ソウル・フラワー・ユニオン)、中島ヒロト(FM802)、仲野茂(亜無亜危異)、奈良美智、二井原実(LOUDNESS)、ニュータウン御意見無用バンド、ニューロティカ、BAZRA、板東さえか(FM802)、PIGGY BANKS(矢沢洋子 keme)、日高央(THE STARBEMS)、BUGY CRAXONE、POLYSICS、前田亘輝(TUBE)、MAKOTO(BRAHMAN/OAU)、まちゃまちゃ、松川隆(夢番地)、松田晋二(THE BACK HORN)、祭の妖精・祭太郎、マーヤ(KING BROTHERS)、ミスター小西(フラワーカンパニーズ)、MR.PAN(THE NEATBEATS)、壬生狼、MILK&WATER、MONGOL800、柳家睦、山田将司(THE BACK HORN)、山中さわお(the pillows)、山本譲二、よーかい(LTD EXHAUSTⅡ/画鋲)、雷矢、riverロマンチック日本代表!!!、リリー・フランキー、LUCY(LATLX (LUCY & THE LIPSTIX))、RONZI(BRAHMAN/OAU)、ワタナベイビー (ホフディラン)、渡辺俊美(TOKYO No.1 SOUL SET, THE ZOOT16, 猪苗代湖ズ)、渡辺美里

[Guitar]
内田勘太郎、カトウタロウ、KOHKI(BRAHMAN/OAU)、佐藤タイジ(シアターブルック・THE SOLAR BUDOKAN主宰)、菅波栄純(THE BACK HORN)、ギターウルフセイジ、竹安堅一(フラワーカンパニーズ)、NAOKI(SA)、古市コータロー(THE COLLECTORS)、マツキタイジロウ(SCOOBIE DO)、真鍋吉明(the pillows)、横山健(Ken Yokoyama, Hi-STANDARD)、和嶋慎治(人間椅子)

[Bass]
上田ケンジ、ウエノコウジ、岡峰光舟(THE BACK HORN)、グレートマエカワ(フラワーカンパニーズ)、Jun Gray(Ken Yokoyama)、ナガイケジョー(SCOOBIE DO)

[Drums]
池畑潤二、オカモト”MOBY”タクヤ(SCOOBIE DO)、クハラカズユキ、小関純匡(マチルダロドリゲス, VooDoo Hawaiians, 玉響楽団)、ナカジマノブ(人間椅子)、RONZI(BRAHMAN/OAU)

どうですか??ほんとやばいです。大槻ケンヂ、斉藤和義、THEイナズマ戦隊、横山健、和嶋慎治、グループ魂にフラカンにチバユウスケもいる。憂歌団、二井原実、佐藤タイジ、豪華すぎる!好きなアーティストが多すぎて書ききれない、絞れない。もう頭の中がパニックだ。

こんなコラボがあっていいのだろうか?というレベルのまさに奇跡のコラボです。とにかく一度聞いてもらえばわかります。圧巻です。

泥にまみれて貫いたロック

彼らは35年経った今でもずっと変わらずに怒髪天をしている。食えなかったインディーズ時代から、こんな奇跡のトリビュートをされる今でもずっとだ。泥臭く、人間臭い言葉で、こぶしを回し、歌い上げる。愛も平和も友情も気合も根性もすべて怒髪天節で歌い上げる。ステージで汗をたらし昔と変わらず爆音を鳴らす。食えなくてもあきらめずにロックを貫いて貫いたその結果、唯一無二の怒髪天という音楽を確立させた。そして世がそれを受け入れたのだ。

彼らは自分たちのスタイルをJAPANESE R&E(リズム&演歌)と呼ぶ。こんなにぴったりな造語はないと思う。激しくそしてどっしりと安定したリズム隊に超絶なギターテクニック、そこにこぶしの効いた歌。大和魂がロックと混ざり合う。まさに怒髪天節。これが癖になってやめられないのだ。定期的に泥にまみれたひたむきな彼らの音が聞きたくなる。僕のとってとても大事な存在である。

まとめ

今回は「オトナノススメ~35th 愛されSP~」という怒髪天のトリビュート曲の紹介でしたが、もちろん原曲もノリノリで増子さんならではのポジティブシンキングな歌詞で最高です。ぜひ両方とも一度聞いてみてください。そしてこの機会に他の数々の名曲も聴いてみていただければと思います。

みなさんの音楽ライフに新しい刺激が加われば幸いです。

それではまた。