今回はMSRのケトル「ピカ1Lティーポット」の紹介です。僕は元々MSRというメーカーの製品が好きで、ハンマーやペグ、キッチンツールなどこのメーカーのギアをよく使っています。メインテントもエリクサー2(旧型)です。今回のケトルも以前から欲しいと思っており最近ようやく仲間入りしました。なので初おろしレビューを書きたいと思います。(キャンプケトルが大好きでまだ未紹介のケトルがいくつもありますので、今後もぼちぼち紹介していきます。)
メーカースペック
(株式会社モチヅキ公式HPより)
[製品の特徴]
容量1L の軽量なアルミ製ティーポットです。特徴は精密にデザインされた注ぎ口です。細くゆっくりと注ぐことができ、水切れもよく、水滴が垂れません。ハンドルは立ったまましっかり止まるので、火にかけても熱くなりません。蓋が大きいためお手入れも簡単。ポケットロケット2を内部に収納できます。
サイズ | 8.25×14cm(1.0L) |
重量 | 136g |
材質 | 本体/アルミ(ハードアナダイズド加工) 蓋/※コポリエステル |
生産国 | Made in China |
価格 | ¥3,500+税 |
※ちなみに蓋の素材が「コポリエステル」となっておりますがこれはポリエステルの誤植ではなく、正式に「コポリエステル」という名称の透明で丈夫な樹脂のことです。詳しく知りたい方はEastman Chemical 社のトライタン等を検索してみてください。
実際の外観
実際の外観はこんな感じです。アルミ製ですが表面にハードアノダイズド加工を施してあり、硬質の被膜が作られています。このおかげで無垢なアルミによくある変色や腐食なども起きにくくなっています。カラーはダークグレーでマットな仕上がりです。
反対側には直にシールが貼ってありました。剥がしたときにシールの跡が残らないか心配でしたが糊も残らずきれいに剥がれました。
この製品は普通のケトルと違い蓋が金属製ではなく「コポリエステル」という透明な樹脂で出来ています。そのため蓋まで届くような大きな火は使えません。当然焚火の中に突っ込むのもNGとなりますので、そういった使い方を望んでいる方は他のケトルを選んでください。
蓋には3か所の爪が付いており、少しスライドさせながら爪を差し込むような感じで蓋を閉めるようになっています。難しくはないので2.3度やればすぐに慣れます。
実測サイズ
高さ:約8.65cm
公式HPでは8.25cmと表記されていますが、これはおそらく蓋を抜いた数値だと思われます。蓋の出っ張りを含めると実測では約8.65cmでした。クッカーにスタッキングするのを想定されている方はこの蓋を含めた数値で計算してみてください。
横幅:約13.8cm
実測では底の直径は13.5cmでしたが注ぎ口の出っ張りも含めると横幅は約13.8cmといった感じです。公式HPでは14cmなので注ぎ口を入れた横幅はほぼ同等です。スタッキングをする場合はクッカーの内側の直径が最低でも15~16cmくらい必要ですので、高さの8.65cmと合わせて慎重に考察してください。ちなみにメインで使っているユニフレームの山フライパン深型では高さの面からスタッキングは出来ませんでした。
重量:143g
重量は公式HPでは136gでしたが僕の個体は実測では143gでプラス7gでした。ほぼ同等なので問題はないですが普通はメーカースペックはやや重めに書いてあったりするので実測値の方が重いのはちょっと珍しいなと思いました。それでも1Lケトルとしては軽量ですが。
湯を沸かしてみる
とりあえず水を入れて湯を沸かしてみます。取っ手はトランギアのようなロック機能はありませんが、接続部の動きが固く調整されているので真上に立てたままキープできます。どの角度でもキープします。
性能の話とは関係ありませんが、やはりMSRのガスと併用すると非常にさまになります。かっこいいです。好きな人間だけの感覚ですがこのルックスに魅かれます。
蓋が透明なので湯が沸いてくると水滴が付いてくるのがわかります。音と湯気の程度とこの水滴で沸き具合を判別できるのでわかりやすいです。沸騰しても取っ手は何とか持てますができればグローブや軍手などを使用したほうが無難だと思います。
細い湯が注げる&垂れない!
沸いた湯を注いでみます。当然普通に注げるのですが、特筆すべきは注ぎ口のクオリティです。公式HPの説明通り、傾きの調整でかなり細い湯を注ぐことが可能です。コーヒー用のドリップケトル並みの湯量で注げるのです。トランギアやGSI、ユニフレームなど色々なメーカーのケトルを使っていますが今のところここまで細い湯を注げるケトルはありません。元々MSRはアメリカブランドの割に作りが良いのですが、このケトルは生産も中国だし正直ここまでの精度は想像していませんでした。
また何が素晴らしいってあんなに浅い角度で細い湯を注いだのに本当に垂れない。注ぎ口からひとすじも湯が垂れていないのです。作りの良さに再び驚きました。1Ⅼサイズでガスメインで使用するなら間違いなくおすすめできる一品です。
ちなみに3つの爪で引っ掛けてある蓋ですが、画像上部のように注ぐとき80度くらいの角度までならピクリとも動きません。さすがに90度(垂直)を超えると赤丸部分のように少し蓋が動きますが外れたりはしません。このあたりもなかなか作りが良いと思います。
メリット デメリット
メリット
- ハードアノダイズド加工で手入れが楽
- 細い湯が注げる
- 液だれしない
- 傾けても蓋が外れない
- アルミ製で軽量
デメリット
- 蓋が樹脂製で焚火や大きい火で使えない
- 1Lの容量のためサイズが大きくスタッキングしにくい
まとめ
今回はMSRのケトル「ピカ1Lティーポット」の紹介でした。
ハードアノダイズド加工で手入れが楽だし注ぎ口のクオリティも高くかなりおすすめの一品です。蓋が樹脂製のため焚火に突っ込んだり側面まで来るような大きな火では使えませんが、シングルバーナー専用で使うならほとんど欠点がないくらい優秀です。
1Lくらいの容量でガス専用ケトルを探されている方は是非使ってみてください。きっと後悔はしないと思います。