今回は近年、キャンプブームと並走するように巷に広がっている「ピコグリル」のコピー品の話です。いわゆるパクリ商品です。あらゆる名もなきメーカーから数々の亜種が出ています。僕は3年ほど前から本家を使用していますが、最近あまりにそのパクリ商品の勢いがすごいので、その実力はいかほどなのか試しに使ってみよう、と思った次第です。
それでは実際に検証を始めてみます。
メーカースペック
まず今回購入したのはこちら↓の焚き火台です。
見たままピコグリルを模したものですが、とりあえず細かいスペックを紹介します。
- 本体のみ重量:380g (全体0.7kg)
- サイズ(展開時)39×28.5×23.5cm (収納時)34×23.5×1.5cm
- 材質:ステンレス
- 耐荷重:6.5 kg
- 価格:3,499円(2021年1月時点のamazon価格)
ざっくりですが上記がこのギアの基本スペックです。
本家ピコグリルは
- 本体のみ重量:約 448g(串・ケースを除く)
- サイズ:収納時 33.5cm×23.5cm×1cm, 組立時 38.5cm×26cm×24.5cm
- 材質:ステンレス
- 価格:14,000円(2021年1月時点の正規販売価格)
このような感じです。
両方とも素材はステンレスでサイズもほとんど同じ。最も異なる点はやはり
価格です。
ピコグリルの現在(2021年1月)の正規販売価格は14,000円でけっこうします。
今回のギアの4倍。
かなり差があります。
そこで今回はこのギアのクオリティも4分の1なのかどうか実際に検証してみます。
組み立て
これが収納袋に入っている全部品です。袋と火床となる天板はピコグリルそっくりですが足の構造がやや違うので部品の形状も違います。あとスピット(串)がピコグリルだと2本ですがこちらは細いタイプが足されて3本になっています。
組み立ては非常にシンプルで、まず左右の足となる部品の中心下部に細い板状の部品をはめ込みます。
次に上部に同じような細い板状の部品を2本はめ込みます。
ここがスピット(串)を乗せる部分になります。この時点で土台はかなり安定していてグラつきなど全くありません。
あとは火床をはめ込み完成です。
スピット(串)を乗せるとこんな感じ。
組み立てにピコグリルよりほんの少しだけ工程はありますが、気になるほどの手間はありません。すぐできます。焚火台の中ではかなり簡単な部類です。
火入れ検証
さてこれからが本番です。実際に焚火をしてその実力のほどを見てみたいと思います。
今回は畑に群生している枯れすすきを火口に使っています。こいつはよく燃えるのでメタルマッチひと擦りですぐに着火します。
火が着いたら小枝を足していきます。
徐々に火が安定してきました。途中で消えることなくどんどん燃焼します。
そう時間もかからず、安定した火が出来上がりました。画像のようにけっこう大きめの薪を置いてもびくともしません。火床も土台もぐらつきはありません。正直今のところ焚火台として突っ込みどころがありません。
熾火になって火も熟してきたのでスピットを使ってケトルを置いてみました。このへんの使い勝手はピコグリルと全く同じです。
ここまでくれば当然ですが湯も問題なく沸きます。調理での使用も何ら問題はありません。この後は燃え残りもなく、きれいに灰になるまで燃焼しました。ピコグリル同様火床に空気を取り入れる穴が開いていますので燃焼効率も十分に良いです。
まとめ
今回はいわゆるピコグリルのコピー品を実際に使用しその実力を検証してみました。
正直言って「良い」です。本家を使っている身としてはどこか「やはり値段なり」と言いたかったところですが本当にケチをつける部分がありませんでした。もっと言えばコスパから考えると本家よりクオリティは高いといえます。(悲しいですが笑)
ここまで書くと「それじゃあピコグリルを使う意味はあるのか?」となってきますが、そこはあくまでこのタイプの焚火台の先駆者としてリスペクトの意味を込めて、高い分はアイデア代と思って自分は使っていきたいと思います。
しかしまあキャンプとは自由なものなので、皆さんにはこだわりなく良いものを選んで欲しい。そういった意味ではこの焚火台はかなりおすすめです。これからキャンプを始めたい方にもぴったりだと思います。
気になっている方は是非使ってみてください。
損はしないはずです。